第45回 神戸ファッションコンテスト2018

帰国後インタビュー<パリ留学生 米田さん>

パリでの留学を終えて一時帰国中の米田さんをつかまえて、インタビューをさせていただきました!

interviewed on 2013.7.10

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米田文子さん

受賞年:  第2011年 第38回神戸ファッションコンテスト

留学先:〈国名〉 フランス

〈学校/コース名〉パリ・クチュール組合学校/スティリズム・モディリズム

〈本科の留学期間〉2012年10月~2013年6月

〈語学学校名〉アリアンスフランセーズ

〈語学学校の期間〉2012年7月~2012年9月

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- 心に残っているパリの景色は?

モンマルトルにあるサクレクール寺院から見た朝日です。朝もやに包まれたパリの街が次第に明るくなっていくのを、友人と一緒に見て感動しました。

 

- 美味しかった食べ物は?

たまの贅沢で食べた和食です。笑

食事は自炊で、お昼もサンドウィッチを作り節約していました。お金持ちのクラスメートたちは、隣でお寿司を食べていました。

 

― 出会った大切な人は?

審査員でも来られていたパリ・クチュール校の先生です。皆のお母さんのような存在です。

 

― 苦労したこと、ハプニングなどは?

なぜかどこの銀行のATMでもカードが使えず、お金を引き出すのに丸1日かかりました。

印刷出来るコピー機を探して町中さまよったこともありました。

入学前、VISA申請のためのCAS(入学許可証)を取得するのに3ケ月も待ちました。

日本から荷物を送ってもらう度に、無事に届きますようにと祈るようになりました。

予約していた電車が存在していなかったことがありました。駅員さんがごめんねと言ってお食事券をくれました。

真冬に部屋の給湯設備が故障し、シャワーが水しか出なくなったことがありました。仕方がないのでお湯を沸かして盥で行水しました。

 

― 楽しかったことは?

先生も友達もとても優しく、学校が好きだったので、毎日が楽しかったです。

学校が終わってからクラスメート達とピクニックや飲み会をしたのも良い思い出です。

 

― 印象に残っている言葉は?

テキスタイルの先生にデッサンを見せたところ「これだけ?」「デザイナーは描いて描いて描きまくるもの。その中から良い物が出てくる」と言われ、その通りにしたところ最後に認めて褒めてくれました。まさに飴と鞭です。

 

― 今後の留学生へのアドバイスは?

図太い方が良いです!

プレゼンで先生に否定的なことを言われたときにフランス語がわからないふりをして乗り切りました。笑

語学については恥ずかしがらないことです。授業中にあてられたら、文法が完璧でなくても、単語を並べるだけでも良いので言いたい事は言うようにしていました。数ヶ月の語学研修だけでフランス語が分かるようになることは先ず無いので、分からないときは素直に「分からない」と言うことが大切です。課題などで不確かなところはクラスメートに聞くよりも直接先生に聞いた方が良いです。ただ、マーケティングなど講義の授業で、本当に分からなくて、何が分からないのかも分からないときは、落ち込まずに寝落ちしました。ごめんなさい。

 

― 学校に関して、日本との違いは?

日本は、まず平面でパターンを引いてから制作するのが主流ですが、フランスの主流は立体裁断で、ボディーに布をあてて、布からパターンをとります。サンディカ3年次では立体裁断の授業はありましたが、平面裁断の授業はほとんど無かったように記憶しています。

アクセサリーやテキスタイルの授業もあり、アクセサリーではくつ、かばん、ベルトのデザインを行います。テキスタイルでは、プリント柄のデザインをします。

コンテストの留学生は3年次に編入ということもあるので、日本の学校でしっかり勉強していく方が良いと思います。日本人は何をやらせても手先が器用で、そのことは学校の先生も認めています。

 

フランス人とは!?

フランス人はストレートに感情を出すので、昨日と今日で言っていることが違うこともあります。それに一喜一憂せず取捨選択して、アドバイスとして良いものだけをもらうのが良いと思います。個人主義で冷たいイメージもありますが、みなさんとても優しくてあたたかかったです。ものおじせず、積極的に関わることが大切だと思います。

 

神戸ファッションコンテスト&留学とはずばり!!

「大きなチャンス」

新しい出会いがあり、視野も広がります。留学すること自体が良い経験です。

様々な国籍の生徒と一緒に勉強するので、自分の強みや弱みを客観的に見ることもできました。

これから留学される方は、大変なことも多いでしょうが、負けずに楽しんで欲しいです。

 

今後の展望

今は一時帰国中ですが、9月からパリに戻り、スタージュを開始します。

長いスパンでの展望は、ファッションデザイナーという枠にとらわれず、「表現できる人」になりたいです。

 

余談 コンテスト応募の際のエピソード

実は、コンテスト応募の時、締め切りの前日に思い立ってデザイン画を描いて提出しました。まさか一次審査に通るとは思っていなかったので驚きました。最終審査会までの制作期間は、学校も修了していたので働きながら、友だちにも数ヶ月会わず、寝る間を惜しんで制作しました。大変でした。

 

 

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米田さんは、大学時代に日本文学を専攻されていたそうで、日本の伝統文化も積極的に学ばれていたそうです。デザインの道に進まれた今、その頃の知識が役に立つこともあるそうで、化粧品会社のM.A.C.とパリ・クチュール校の共同プロジェクトの課題では、『京都の舞妓』のイメージ、そして学校の最終審査会の課題では、エコロジーをテーマのひとつとし、着物の端切れを素材として使用されたそうです。

過去の点が、今の点、そして未来の点へとつながっていき、線になっていくのだと思います。

人生に無駄なことなんて、一つもないと思えます。 

米田さんはご自身を評して「頑固なんです」と笑っておられましたが、やわらかい表情からたまに垣間見られる瞳の強さから”芯の強い女性”という印象を受けました。

今後のご活躍が本当に楽しみです。

これからも協会職員一同、応援しております!!

 

 

 

 

 


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