第45回 神戸ファッションコンテスト2018

パリ 2010.07

KFC2009の島瀬敬章さん(エスモード・パリ)から、パリレポートが届きました!
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レポート2
パリです。島瀬です。元気です。
本日、4ヶ月に及ぶパリスプログラムが終了しました。
瞬く間に、月日が過ぎ去ったように思います。
実に様々な出来事、珍事があったように思います。
良い事、悪い事、楽しい事、楽しくない事、他全て自分に吸収されている事と思います。
いつまででも、居座ってやろう。ここパリに。
何か、ここで新しく生まれて、ここで育ちます。
何か、振動をガツンとここで起こしたい。振るわしたい。自分も含めて強烈に。
衝動に襲われたい。襲いたい。
あくまで『何か』、まだ頭の中は色々な方向に矢印が行き交ってぐるぐるです。
ここフランス、パリで。
という、意味の分からない意気込みは置いといて。
本日から、一ヶ月のバカンスに入ります。夏休みです。
フランスの方々は、浮き浮き、湧く湧く、といった感じが、顔の表情からバレバレです。w
私の予定はというと、まず、一週間のモデルの授業で制作中のパノプリを仕上げる事です。まだ、袖が着いていなく、途中です。
レポート1
立体だけで仕上げているので、これからパターンにおこし、始末を考えて、悩んで、頭がぐちゃぐちゃになるでしょう。
しかし、楽しい。分からない事が、次々と出てきます。
これから、老いるまでこの作業は続くでしょう。んーーやめられない。
仕上がり次第、ブログにアップしようと思います。
それぐらいしかネタがありませんので。w
あと、写真もアップします。
日常に潜む、偶然。そこに私は眼が奪われます。
パリには、いい瞬間によく遭遇出来ます。
そういった瞬間に出会った時に、過去と現在と未来を感じ取れます。
服にもそういった要素を取り入れて行きたいものです。
作業が終わり次第、オランダ某所に飛ぼうと思っています。
1週間ほど、滞在して、スケッチを書き殴ろうと思っています。
フランス語も忘れずに、日々勉強、イメージです。

ミラノ 2010.07

ミラノの村田晴信さんよりレポートが届きました!
パリにも足を伸ばしたそうです。いいですね、陸続きだと移動も簡単ですね〜
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MILANOより 村田です。
こんにちは。日本は梅雨が明けて、本格的に夏がきたようですね。
こちらミラノは7月の初め頃から毎日35度そこらを行ったり来たり。暑いです。
ざっと近況をレポートします。今月末でミラノに来て2ヶ月です。
今月初めから同居しているおばさまがバカンスを取るとの事で現在一人暮らし。
今日も引き続き語学学校にて、イタリア語漬けの生活です。
最近やっと、少しずつですが意思疎通を図れるようにはなってきました。
ですがまだまだ彼らが普通に話すスピードに付いていくことは出来ず、生活にストレスを感じることもしばしば。
圧倒的に語彙が足りず、言っている事が理解出来ても思っている事をうまく伝える事ができない悔しさは相当削られます。
辛いところですが、マランゴーニでの授業が始まるまで約3ヶ月。流暢な事は言ってられません。
この2ヶ月で見えてきたミラノという街の感想は ” ファッションの街 ”
いたる所に大小ブティックが立ち並び、道行く人のファッションに対する熱が異様に高いように感じます。老若男女問わず。
またこの街はファッションが生活に溶け込んでいる為か、服がリアルです。
例えばパリのオートクチュールのように、まるで芸術品として崇拝されるような服ではなく、
生活の一部としてのファッションの中で、その質を上げること。これがミラノのファッションの特徴かなと感じています。
そんな中、最近気になる ”イメージ”
日本でPRの会社でインターンをしていた影響もあってか、第3者目線での服の見え方に興味を感じています。
クリエーションが着る人の手に届くまでに通るフィルターの話。
たとえば水道水も浄水器を通せば綺麗になるし、そのフィルターが汚れていれば綺麗な水も汚れてしまうという事です。
思えば日本で学生時代、綺麗な水の探し方しか知らなくて、フィルターの部分には考えが及んでいませんでした。
例えば最近ではショーのライブ中継が行われたり、facebook上でプロモーションが行われたり、ブロガーなる言葉が生まれたりと、
ブランドイメージの作り方も変わってきているように思います。
先日jilsanderのショーをライブで見ましたが、確かに良く見える。
ライブ中継という事がどう影響しているか分かりませんが、確かに今までとは違った見え方を感じました。
デザイナーとしての役割は綺麗な水を提供し続ける事だと思いますが、
こういった今まで見てこなかった所にも視野を広げていかなくてはと感じています。
より高い所を目指す為に、です。
自分がこの街でやるべき事はなにか、時間がある今こそ慎重に見極めていきたいと思っています。
ちょっと硬くなってしまいました。笑
トップの写真は、今更ながら、ミラノの象徴DUOMOです。最近全面改修が終わったらしく、この迫力は圧巻です。
それから今月始め、週末を利用してパリに行ってきました。
ミラノとはまた違った雰囲気の良さがあり、とても良かったです。
また行きます。といっても貧乏学生。なかなか簡単には行けませんが。
すぐ行ける環境もこちらにいるアドバンテージのひとつだと思うので。
エッフェル塔の細部はレース細工みたいですね。フランスという国を象徴しているように感じました。
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ciao ; )

パリ 2010.07

みなさまBonjour:) KFC事務局スタッフKです。
KFC2009受賞者の島瀬敬章さんからパリレポートが届いたのでUPします。
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お久しぶりです。
島瀬です。パリです。元気です。最近の近況報告も含め、レポートします。
先週、ファッションウィークがあり、『2011ss homme mihara yasuhiro』のフィッターをさして頂き、運良く、Ann Demeulemester Damir Doma のコレクションを見る事が出来ました。
DIORでは、お払い箱でした。ビックメゾンの厳しさを知る。
生で見る、ランウェイは非常に刺激的でありました。
パリに来ているという実感と、距離の近さを改めて感じました。
学校の方は、基本に戻ってモデリズムをしています。
最初は、もう分かっている事をもう一回?と、疑問を感じていましたが、マヌカンの構造、寸法が全く違う。
この事は、話しには聞いてはいたのですがここまで違うとは。
前身頃の方が寸法が長い。日本では逆。逆という所に驚き有り。
脇線の、形状を見ると。S字のカーブを描いています。これは、コルセットの名残でしょうか。16世紀からつい最近まで、腰を縛りつけられ、強制され、
胃下垂による、下っ腹の膨張。内臓が下に押しやられ、パニエしかり、ニュールックしかり、服によってヒップ、身体のラインを強調してきた西洋の服飾文化によりヒップ自体が役目をなくし、収縮してしまったんだろうとか思いつつトワールをつついていました。
それに比べ、アフリカ系の方のヒップは素晴らしいですね。
天然のパニエを生まれもっています。人体の歴史を肌で感じたように思います。
原型が違うとなると、話しは別。新しい事を発見しながらの授業に様変わりし、有意義に授業を受けています。
語学の方はというと、耳も慣れてきて、意思疎通も僅かながらこなせるようになってきています。仏の方に、道を聞かれるようになりました。仏の友達も何人か出来ました。
語学は、やはり重要ですね。自分の考えを伝える。この作業は服を作るにあたっても重要。感想や意見を聞かれて、言葉が見つからず、『Je ne peux pas expliquer.』では、、、悔しいですからね。パリから帰らなくてもいいやとも、思っているくらいなので時間とモチベーションがあれば何とかなるでしょう。
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最近、気になる事。
『洋服』>>>西洋から伝わった衣服。逆は和服。
最近は、『洋』服と言う人がすくなくなりました。
『服』もしくは『ファッション』と呼ばれています。和服は『和』服と未だに呼ばれています。
おそらく、明治維新以前は、逆だったでしょう。
和服を服と呼び、背広やワンピースなどを洋服と呼んでいたでしょう。
現代の生活において、服の『壁』がなくなってきているように思います。
時代、トレンドでしょうか。
全て『ファッション』という便利な言葉で片付けられているような気がします。
私の爺ちゃんはテーラーをしていました。店の名前は『しませ洋服店』
私は、そこに時代性を感じますし、その『洋』服という語に妙に興味を覚えます。
そこには、おそらく『壁』がある。
だから、店の名前をそうつけたに違いないし、そうするのが通常だった。
最近、ユニセックスという言葉が、巷に氾濫していますが。
これも、壁がなくなりつつあるのだと思います。
一戦で活躍しているデザイナー達は、多分。この『壁』男、女、を十分に把握し、理解し、プレゼンしていると思います。服自体の知識もかなり豊富です。そして、その服達は、トレンドとして世に送り出されます。
そこに、私は危機感を覚えます。
昔にはあった様々な『壁』を知らない現代の若者はどうなるのか?
男、女の境目がちぐはぐで、薄い。本当にトレンド、流行だけに流されている個性がありそうで個性がない若者で溢れています。
それが駄目だとか、嫌いだとかそういう事ではなくあくまで、自分の主観、勝手な考え、好みです。
現に、男性は精子が減り、体毛は薄くなり、威厳がなくなり。女性は、ハゲが多くなり、男性的な性格の女性が増えてきた。
社会だけでなく、その上に立つ人間自体もトレンドと一緒に動いています。
多分、その人たちには、仕立ての奇麗なタイユールやドレスなどは、限りなくシンプルに見えるのでしょう。
そのシンプルの中には、様々な要素と歴史、多大なる手仕事、労力が存在している事に気付けないと考えます。
同じ学校でも、ユニセックスをコンセプトとして掲げている人達がたくさんいますが。
果たして、20そこそこしか生きていない私達にそのような難しい要素をおいしく料理できるのか?
今の私には出来ません。
男、女の『壁』という大きな問題がその前に立ちはだかっているからです。
ここをクリアしない限り、それを言葉としては掲げられません。
ユニセックスという言葉は、響きは魅力的ですが、難解な言葉であるのです。
男女を混ぜはするが、『壁』を意識してコレクションする。
『ユニセックス』に焦点をあわせるのではなく、あくまで『男』『女』という真逆の性質を持ったものを意識し、混ぜる。解体し、構築する。そこには、ユニセックスがあるかわからない。
ただ単に、男性にスカートを履かしました!!
女性に奇麗な仕立てのスリーピースのタイユールを着せました!!
なんとなくユニセックス!!
という事はしたくない。
男女の微妙なバランスを研究していきたいと思います。
多分、将来。このじいちゃん、ばあちゃん。『何かわかんないけど、すげえかっこいい、かわいい、お洒落だ』って思わせる老人に電車で出会える機会がなくなるのではないか。と思っています。
服と一緒に背中に荷を背負っている分、見えない重み。感じる雰囲気。染み出る渋み。愛しさを覚えるかわいさ。
その人自身、まとっている服自身に時代錯誤を感じる。
そこには、かならず『壁』が存在する。
この先そういった、服にとって最も重要な要素がなくなるのではないか?
パリより
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