第45回 神戸ファッションコンテスト2018

パリから留学レポート【2015年受賞 水上さん】

KFC2015で受賞し、フランスのエスモードパリ校へ留学している水上誠二郎さんから留学生レポートが届きました!

********************************************************

エスモードパリ校に留学中の水上です。渡航から来月末で約一年が経ちます。学校生活などをレポートいたします。

現在エスモードの4学年に在籍しており、メンズプレタポルテのコレクション制作を行なっております。入学の学年に関しては、神戸ファッションコンテスト特選入賞時の実力や年齢、経歴などから決めているようで、私は特選受賞時にクリスティーヌ校長から4年生の入学を勧められました。

エスモードは世界各国に学校があり、僕の在籍している4年生には各国で3年生を修了してきた学生達が集まり、それぞれのディレクションに合わせて自由にコレクションを作り上げています。3年時の専攻科もバラバラなので、レディースのプレタをやる子、メンズをやる子…など様々なので、同じ課題を全員で行なって提出する物はほとんどありません。現在は各自のコレクションに向けてトワルを組み、担任の先生にトワルや部分縫いを見せてコメントをもらい、月一回ペースで行われる「ジュリー」という、先生を前にしてフランス語で行うコレクションのプレゼンテーションで成績が決まっていきます。このジュリーでは、まず「デザインに対して」新しいか、新しくないかをはっきりと言われ、コンセプト、加えて全体の雰囲気から細部のディテールまでコメントをもらいます。点数は貼り出され、この点数が成績と学生のモチベーションに大きく関わります。素材の収集、部分縫いや型出しの進度もチェックされます。デザインに対してここまで直球意見をもらえることが嬉しく、迷った時は複数の先生に意見を貰って大いに参考にしています。
私は日本で技術を専攻していたので、モデリズムに関しては概ね評判が良く、トワルの良し悪しもジュリーの点数に大きく関わると思いました。私が過去に日本で在籍していた学校では、そもそも「スティリズム」(デザイン)を教える学校ではなかったこともあり、日本の学生が最終的に作る「課題レポート」とは違い、こちらの学生の作るドシエ、イメージマップなどのクオリティの高さには驚きました。入学年時からデザインについて指摘をもらいながら勉強してきている分、その差は高学年での作品に大きく現れ、どことなく日本の専門学生よりも、市場を見据えた今風の洗練された内容、作品が多いと感じました。
クラスの雰囲気ですが、授業のない日にも毎日学校に来て教室で作業をしている子が多く、全体的にとてもやる気のある学生たちが集まっているように感じます。様々な国から色々な国籍の学生が一つの教室にいますので、フランス語と英語が飛び交うことが多く、2ヶ国語をある程度身につけられる機会だと思っております。どちらもまだまだのレベルで苦戦することが沢山あり、言葉のハンデをかなり感じますが、なんとか乗り越えております。クラスメイトには助けられることが多く、ジュリー前に言葉のチェックなどをしてくれたり、大事なことは英語で確認してくれたりと、クラスメイトにはいつも感謝しております。日本に興味を持っている子が多く、様々な話題で盛り上がれることが本当に嬉しいです。クラスはすごく明るく、笑いの絶えない雰囲気に正直驚いております。長く学生をやりましたが、こんなに賑やかなクラスは初めてです。
現在はフランスで行われるプレタポルテのコンクールに入選し、フィッティングを経て実物製作に入ろうとしているところです。ハードなスケジュールですが、貴重な体験だと思うので、全力で製作に取り組もうと思います。
9月に行われたパリファッションウィークでは、若手ブランドのランウェイをいくつか見ることが出来、またプルミエールヴィジョンにも2回足を運ぶことが出来ました。素敵な体験をさせていただけていることに感謝しております。
添付の写真は校内にあるサンプル室の写真です。クリエイションの幅を広げられるとても便利な場所として活用しております。
 
将来につながる学生生活になるよう、常に緊張感を持って残りの学生期間を過ごしたいと思っております。
********************************************************
学校のコレクション制作に加え、プレタポルテのコンクール作品制作とハードなスケジュールを全力で取り組まれている様子がうかがえます。明るい仲間との日々の生活が将来貴重な経験になることでしょう。健康に気をつけて頑張ってください。お忙しい中、有意義な情報をありがとうございました。

PCサイトを見る

スマホサイトへ戻る