第45回 神戸ファッションコンテスト2018

パリからの留学レポート【2014年度受賞 椎尾さん】

KFC2014で受賞し、今年の9月からフランスのエスモードパリへ留学している椎尾絵里子さんから留学生レポートをいただきました!

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エスモードパリ校に留学中の椎尾絵里子です。
フランスに来てから2ヶ月半程が経ちました。学校は9月後半から始まったので、学校が始まってからはちょうど2ヶ月程です。やっとパリでの生活が落ち着いてきたのでレポートを送ります。神戸ファッションコンテストのファイナリストの方や、留学を考えている方の参考になりましたら嬉しいです。

私が通う学校・コースについて
エスモードパリ校の3年次Nouvelle couture traditionnelleコースに通っています。エスモードの3年次には、この他にプレタポルテ、リュクス、メンズ、ウィメンズ、キッズ、ニット、ランジェリー、アクセサリー、舞台衣装などのコースがあります。私が通うコースでは、オートクチュールの技術を中心にStylisme(デザイン)Modelisme(作品制作)の大きく分けて2つの科目から成り立っています。Stylismeでは3年次の自分のコレクションについてのリサーチ、デザイン発想デザイン展開を行い、2週間程前にコンセプト発表を行いました。Modelismeではオートクチュールの伝統技術を学びながら、その技術を応用してのコルセットとリトルブラックドレスの作品制作を年内に行います。卒業コレクションの制作は年明けの1月から始まるので、今はその為のリサーチと準備期間です。所属コース以外にも選択授業を1つ選ぶことができ、私はHomme(メンズ服)の授業を選択しました。Homme以外には、皮革、ルサージュとのコラボレーションの刺繍の授業、毛皮、染色、生地と素材の発展など全部で10種類程の授業の中から選択できます。Hommeの授業では、メンズ服の基本について学び、年内までの短期間の授業ですが、メンズのシャツ、デニムパンツ、プルオーバー、ブルゾンのデザイン実物制作を行います。日本で受けていたファッションの授業と、こちらにていくつか重複する項目もありますが、フランスでの呼び名や考え方、仕上げ方など、同じ事でもとても新鮮に感じます。

言葉と生活について
渡仏前に日本にてフランス語の勉強をしていましたが、今でもとても難しいです。今はフランス語で話すより英語で話した方がコミュニケーションが取れるので、どうしても英語を使ってしまっています。授業はフランス語で行われていますが、最初はクラスメイトが英語に訳してくれてやっと理解出来るという状況でした。幸いクラスメイト達は皆とても優しく、「自分たちは母国語だからいつでも聞いて」と言って助けてくれたり、「フランスに居るのだからフランス語で話さないと絵里子の為にならない!」といって私の下手なフランス語に付き合ってくれるクラスメイトもいます。他にもノートをとっていると正しいスペルに直してくれたり、聞き取れないフランス語を文字に書き起こしてくれたり、色々と言葉のハンデを助けてくれます。クラスに日本からの留学生は私だけですが、クラスの半分弱が留学生(ブラジル、マケドニア、アルメニア、中国、アメリカ、ポーランド、アイルランドなど様々です)なので、語学学習の大変さは皆経験していて、気にかけてくれます。(留学生のほとんどは、既にエスモードのフランス校にて勉強して3年目なので、フランス語も凄くうまいです)この状況に甘えてしまって、フランス語の勉強が疎かになってしまう事もありましたが、自分の為にはならないので引き続き自宅でフランス語の勉強を続けています。学校もそうですが、パリには様々なルーツやバックグラウンドを持つ人々が一緒に暮らしていて、色々な言葉、料理、地域、習慣など、ファッションの事以外にも沢山の事が勉強になります。また、自分もその内の一人として日々の生活を楽しんでいます。

ここで、今回の留学レポートを終わろうと思っていたのですが、レポートを書いている途中の13日にパリで同時多発テロが起きました。パリ市内では1月のシャルリ・エブド襲撃事件以来、沢山の軍人が銃を肩から下げて警戒に当っています。私の自宅から最寄り駅までの道にあるユダヤ教の建物の前にも、毎日銃を持った軍人の方が数人立っていて、その光景も日常の一部となっていました。こうした警戒の中で起こった事件なので、とても衝撃が大きかったです。今回のような事件ばかりは、いくら自分が気をつけて生活していても、巻き込まれてしまう可能性は0には出来ないです。そういった恐怖が日常生活のすぐ側にあるという事は、とても恐い事ですが、フランスで暮らす人々は出来るだけ普段と同じ生活を送ろうと心がけています。今回の事件は凄くショックが大きいですが、私もせっかくのチャンスである留学生活を大切にして過ごしていきたいと思います。

学校からの眺めの写真で今回の留学レポートを終わります。

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最終審査会を目前に頑張っているファイナリスト、そして今後留学を目指している方へ、とても有意義な情報とメッセージをありがとうございました。


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